
こんにちは、「アクティブシニア情報局」ライターMです。
今回は日本に久々に帰国した友人夫婦のインタビュー記事をまとめました。アメリカより日本を選んだ理由を深掘りします!
はじめに
こんにちは、「アクティブシニア情報局」ライターMです。
今回ご紹介するのは、長年アメリカで暮らしてきた友人女性Tさんご夫妻が、70代で日本へ帰国することを決めたストーリーです。
Tさんはもともと夫の駐在でサンフランシスコに渡り、そのままリタイア後も現地で生活を続けていました。しかし、昨年夏に久しぶりに長期滞在した日本で
「やっぱり日本に帰りたい」と
強く感じ、ついに帰国を決意されたのです。
「海外生活は憧れるけど、老後は日本がいいの?」
そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。この記事ではTさんの体験談を交えながら、シニア世代が帰国を考える背景、日本で暮らす魅力を掘り下げていきます。
帰国を決めたきっかけ
Tさんご夫妻がアメリカ生活を終える決断をした大きな理由は、昨年夏の日本滞在でした。
日本の食文化の魅力
「カリフォルニア米も美味しくなってきたけど、日本で食べたコシヒカリには敵わない」とTさん。
20代まで日本で過ごした味覚の記憶は強く残っており、出汁の効いたお味噌汁や冬のこたつにみかんなど、日本ならではの食と暮らしに心惹かれたと語ります。
日本米が高いと言われているけど、全く気にならないそうです。
物価の安さ
アメリカやヨーロッパの物価高は深刻です。例えばアメリカ・カリフォルニア州では外食1回で1人30ドル(約4,500円)を超えることも珍しくありません。
食料品も卵1パックが日本の2〜3倍することもあるほど。日本も物価高とは言われますが、比較すれば「まだまだ日本は暮らしやすい」と感じたそうです。



ファーストフード食べるだけで、3000円行くのは当たり前だからラーメンが1000円以内で、美味しいのを食べただけで、感動しちゃう
住まいの整理が現実に
夫の実家整理で日本に長期滞在しました。
家の片付けも、実家じまいも終わり、アメリカに帰ろうかと思ったけど、今ならアメリカの家も高く売れるので、双方を売却して日本にマンションを購入。
日本では駅近くのマンションを購入しましたが、今まで車社会だったけど、これから高齢になるにつれ運転不安があったけど、電車もバスもタクシーもしっかりしてる日本。駅前に行けば買い物に困らない環境は快適です。
アメリカ生活で得たもの、そして違和感
Tさんご夫妻はアメリカで長年暮らし、多くの学びと自由を楽しみました。しかし70代になって見えてきた課題もあります。
- 医療費の高さ:民間保険に入っていても自己負担額は大きく、日本の健康保険制度の安心感を改めて実感。
何よりも病気をした時に2日で退院をしたので、日本で久々に医療にかかった際に、ホスピタリティの高さに感動しかなかった。 - 食生活の違い:海外でも日本食材は揃いますが、価格は高く、手軽さがない。
特に年齢を重ねるほど、日本食への恋しさはどうしてもDNAに刻まれてると感じざるを得ないとか。 - 街の景観や治安:サンフランシスコ中心部は物価高と治安悪化が進み、かつての華やかさと違う面も出てきたとのこと。特に失業者の増加と、家賃の高さからホームレスの多さは当初暮らしてた状況と大きく変わったと感じたそうです。



日本の繁華街は清潔感があって本当にきれい。
テレビの報道やSNSを見ると、こんなに恵まれてるのに“閉塞感”を煽る声も多いのがもったいない。
実際に帰ってくると“恵まれた国だな”と思う
帰国後の新しい生活
実際に帰国してからは、こんな変化があったそうです。
暮らしやすさの実感
スーパーで買い物するたびに「この値段で買えるなんて」と驚くことが多いとのこと。
何よりも、売ってる量が最初は「少ない」と感じていたけど、2人生活には困らないと暮らして実感する。車で買い物行かなくても近所で事足りる!
ネットスーパーが1つ1つ商品が綺麗に梱包されてたりするから丁寧さにも驚いた。
日常の豊かさ
一番嬉しいのは、肩まで浸かれるお風呂。ジムに行っても、スパに行ってもお風呂が広い!
正直、夏は暑すぎてげんなりもしたけど、建物はいればどこもエアコンがしっかり聞いてて、流石にほんと思った。早く冬にこたつを出せるのが今から待ち遠しい。
ちょっとした日本語が出てこない時も
ちょっとした日本語が出てこないのは、長年アメリカ生活だから仕方ないけど、困るのはそこぐらい。買い物で出てこなくても、今は店員さんが外国人のお店も多いから、今のところ、不便と感じてない。
家族との距離感
Tさんの3人の子どもたちはアメリカ・ヨーロッパ・カナダとそれぞれ海外で生活している。
唯一寂しいのは、孫に会える機会が減ったことだそうだが、元々離れて生活してたから、それがほんのちょっと遠くなっただけと笑って話してくれました。
WhatApps(電話やビデオ通話ができるアプリ)でしょっちゅう連絡取り合ってるとのこと。



子ども達がそれぞれ自立してるから、私たちも日本に帰って自由に過ごせると思ってるわ。
子ども達は英語が基本言語だから、パートナーも日本人じゃないから、日本に住む選択肢はなさそうよ。
日本に帰りたいシニアは多い?
実際に「老後は日本に帰りたい」と考える海外在住の日本人シニアは少なくありません。
参考までに、帰国を考える理由は以下のようなものです。
- 医療や介護サービスが充実している
- 物価が相対的に安く、生活費が抑えられる
- 言葉や文化に不自由しない安心感
- 和食を日常的に楽しめる
一方で、課題もあります。
- 年金や税金の手続きが複雑
- 子ども世代が海外に住んでいる場合、距離の問題が残る
- 昨今、日本独特の社会に流れる閉塞感に戸惑うことも
Tさんも「もっとポジティブになってもいいのに、SNSを見てると不満ばかりが目に入るのは残念。アメリカにいたからそう思うのかも」と率直な感想を口にしていました。
インタビューを終えて
Tさんのお話を聞いて、私自身も「老後をどこで過ごすのが幸せか」を改めて考えさせられました。
海外生活に憧れる方も多いですが、長年過ごした後に「やっぱり日本がいい」と思うのは、食文化や医療制度、そして四季のある生活が持つ力なのだと思います。
もちろん課題はありますが、70代で新しい決断をして前向きに生きているTさんご夫妻の姿は、とてもアクティブで頼もしいものでした。
「好きな場所で、自分らしく暮らす」
そのための選択肢として、日本に帰るという決断は大いに参考になるはずです。