まぶたが下がる「眼瞼下垂」とは?

ちょっとまぶたの下がりが気になってきた!と思ったらそれは「眼瞼下垂(がんけいかすい)」かもしれません
最近「目が疲れる」「まぶたが重い」と感じたら
鏡を見て「前より目が小さく見える」「目の開きが悪くなった気がする」と感じたことはありませんか?
このような変化は、もしかすると 眼瞼下垂(がんけんかすい) のサインかもしれません。
実際、加齢とともにまぶたを上げる筋肉や皮膚のハリが衰えることで、40代以降には軽度の眼瞼下垂傾向を持つ人は少なくないと言われています。
ただし、まぶたのたるみと混同されがちで、「老化の一部だろう」と軽く見て放置してしまう人も多いのが現実です。
でも、視界が狭まる、頭痛や肩こりが増えるといった不調が出てくることもあるため、「見た目」だけでなく「健康視点」で早めに情報を持っておくのが大切です。
眼瞼下垂って何?原因・症状をかんたんに解説
主な原因
- 加齢による筋肉(眼瞼挙筋や挙筋腱膜)のゆるみ・伸び
- 長年のコンタクトレンズ使用、目をこする習慣
- 先天性(生まれつき筋肉の力が弱い)
- 外傷や手術・点眼薬の副作用など
これらの結果、まぶたを引き上げる力が弱くなり、まぶたが下がってしまうのが眼瞼下垂です。
症状として現れやすいこと
- まぶたが重く感じる、目を開けにくい
- 黒目の上にまぶたがかかる(被瞼)
- 頭を後ろに傾けて目を開けようとする姿勢になる
- 額(おでこ)にシワを寄せて目を開けるクセ
- 夕方になるとますます目が重く感じる
- 写真で「眠そうに見える」「目つきが違う」と言われる
これらのうち、特に「額に力を入れて目を開けようとする」ような動作がある人は、眼瞼下垂が進行している可能性があります。



額に力を入れて目を開けようとしてたら眼瞼下垂かもしれませんね。
芸能人の例で知る「眼瞼下垂手術」
テレビで「顔が変わった?」と話題になることがありますが、実はこの裏に眼瞼下垂の治療があるケースも少なくありません。
たとえば、「ミヤネ屋」の宮根誠司さんや歌手・和田アキ子さんも、まぶたの手術を受けられたと報じられていて、見た目の変化が話題になったことがあります。
その手術は単なる“美的リフトアップ”ではなく、「機能改善」を目的とした治療なのです。
さらに最近では、タレントの 鈴木紗理奈さん が「切らない眼瞼下垂手術(埋没法/糸でまぶたを引き上げる方法)」を受けたという報道がなされ、話題になりました。(切らない手術は詳しく下記でも解説します)
これにより、軽度〜中等度なら切らずに改善できる可能性があるという選択肢が、少しずつ広がってきています。
マッサージやアイプチは逆効果になることも
「手術は怖いから」「マッサージで治したい」と思う方もいますが、強いマッサージは逆効果です。
医学的なエビデンスでも、まぶたを強く揉んだり引っ張ったりする行為は、皮膚や筋肉を傷めて症状を悪化させる恐れがあるとされています。
また、アイプチやテープで無理にまぶたを持ち上げるのも要注意。
長期間使用すると皮膚が伸びたり薄くなったりし、将来的に本格的な眼瞼下垂を引き起こす可能性があります。
「癖がつくから大丈夫」という噂もありますが、医療的には根拠がなく、むしろ悪化リスクの方が高いと指摘されています。
手術を検討すべきサイン
眼瞼下垂は自然に治ることはありません。
次のような状態がある場合は、早めに医師へ相談を。
- 視界が狭く感じる、上方の視野が遮られる
- 額にシワを寄せて無意識に目を開けようとする
- 肩こりや頭痛が慢性化してきた
- 目が疲れやすく、夕方になると重くなる
- 写真で「眠そう」「目が違う」と言われる
軽度のうちは自覚しにくいですが、進行してからでは筋肉が戻りにくくなることもあります。
「見えにくい」「目が重い」と感じたら、我慢せず受診することが大切です。
手術の種類と保険適用について
眼瞼下垂の手術は、症状の程度によって保険が適用される場合とされない場合があります。
✅ 保険が適用されるケース
- まぶたが黒目(瞳孔)の上部にかかり、視界が狭くなっている
- 医師が「視野障害」や「機能的問題あり」と診断した場合
この場合、形成外科・眼科での「保険診療」として3割負担で手術が可能です。
術式は「眼瞼挙筋前転法」などが多く、見た目だけでなく視界の改善を目的に行われます。



私は眼科で診てもらっています!手術を想定して、先に術後の実績が載ってる都内の眼科を受診した友人もいます。
⚠ 保険が適用されないケース
- まぶたの“たるみ”や“二重ラインの調整”など、見た目を目的とした場合
- 機能的な視野障害がない軽度の症状
この場合は、美容外科・美容皮膚科での自由診療(自費)になります。
価格は片目で10〜20万円前後、両目で10万円~程度が目安です。
気になる方は、「たるみ」か「眼瞼下垂」だけでも眼科で受診で確認ができます。
どこを受診すればいい?
症状が気になる場合は、まずは眼科または形成外科(特に眼瞼下垂を扱うクリニック)を受診しましょう。
眼科では視野検査を行い、視界の制限がどの程度あるかを確認できます。
保険適用になるかどうかの判断も医師がしてくれます。
「美容目的ではないけれど、見た目も気になる」という方は、
形成外科の中でも“保険診療と美容外科の両方を扱うクリニック”を選ぶと安心です。
どちらのアプローチが最適かを医師と相談しながら決められます。
手術後の経過とメリット
手術は日帰りで行えることが多く、ダウンタイムは1〜3週間程度。
視界が広がることで頭痛や肩こりが改善したり、「若返った」と感じる方も多いそうです。
また、早めに治療を受けることで筋肉や皮膚への負担を減らし、進行を抑える効果も期待できます。
「もう年だから」と諦めず、生活の質(QOL)を高めるための一歩として考えるのも大切です。
まとめ|“まぶたの重さ”は年齢のせいだけじゃない
まぶたが下がるのは、見た目の問題だけでなく「視界」「健康」に関わること。
マッサージやアイプチで誤魔化すよりも、早めの受診と正しい診断が何よりの近道です。
- 保険で手術できるケースもある
- 見た目目的なら自由診療になる
- 放置すると慢性疲労や頭痛の原因にも
「最近まぶたが下がってきたな」と感じたら、それは老化ではなく“体からのサイン”。
正しい知識とタイミングで、目元も気持ちも軽くなれるはずです。